映画『君の名は。』 ネタバレ感想
よかったですね。 まあよかったんですけどいろいろ言いたいこともある感じです。
以下ネタバレです。
Twitter眺めてたらネタバレ入ってきてぶっ殺すぞって思ったんですけど気づけば公開からもう3ヶ月経ってるっぽいので僕が悪いですね。
というわけで事前情報がこんくらい入ってました
- 入れ替わり系
- 新海くささがあんまりないらしい
- 時間系の叙述トリックあって3年ズレてるらしい
- 隕石落ちるらしい
- おっぱい
- 口噛み酒がある
という感じで最初からなんとなく話はわかりつつ見てました。
盛り上がるシーンもあったし絵は当然キレイだしキャラクターも魅力的なので見てよかったなと思いました。
以下、気づいた点と気になった点についてだけ書きます。 どこがよかったというのはあんまり書かないのでネガティブな意見に見えるかもしれませんが全体として高評価なことはもっかい書いておきます。
気づいた点
- ゆきのさん!!!
- さやちんかわいい
- 悠木碧なの気づかなかった
- てっしー家業継ぐと思ってたのにあっさり東京出ててびっくりしたけど、よく考えたら隕石自体は落ちてるわけで、その後東京に出てきたんでしょうなあ
- 市長はガラケーユーザーだった
- 口噛み酒を飲むというのが大事
- あれが御神体にお供えしてきた「三葉のたいせつなもの」だから
- というだけでなく、道中に一葉が言っていた同じものを分けて飲むという行為も「結び」であるという話からも
- 隕石落ちる + 時間トリックって聞いてて、なんかいろいろ地形が隕石落ちたっぽいなーって思ってたら実際そうらしくてちょっと嬉しかった
- (追記)逆にもう落ちた後なのかな?って考えたりした
- (追記)あとほしのこえのリシテア思い出してました
- てっしーの無線とかの趣味、序盤の親父の飲み会からの自室カットで気づいてこれも伏線になってて嬉しかった
- てっしーさやちんたきくんの作戦会議のとき、最後にたきくんとてっしーが「おれたち」っていってるのがよかった
- 山頂でいきなり三葉消えてびっくりしたけど黄昏時の終わりだから、と解釈すれば妥当か
- 奥寺先輩の「勘違いだったらごめんね」からのセリフがよすぎてそこで惚れた*1
気になった点
整合性
- 気づけや!!!!
- 日常生活おくる上で西暦くらい把握してるだろ……
- 3年前のスマホ触ったら気づくだろ……
- 隕石落ちたとこの地名くらい覚えてるだろ……
- 山頂で唐突に入れ替わりが戻ったの気になる
- 黄昏時の魔力ということでいいんだろうか
- それが戻る方向に働くというのは気になるところではある
- 幽世だからというので説明してもいい気はする
- 「すきだ」って3文字書いたらバレるだろ!!!
- 立花瀧で3文字だからか。
- 名前ちゃんと書けやってのは思ったけどそれは瀧くんが伝えられなかった「世界のどこにいてもきみを見つけるから」という決意の表れ(= 自分から探すから自分の名前を伝える必要はない)と解釈すればよい気もする
- 消えるときに文字化けするのおかしくね?
- ビット単位でデータが消えていくならアリなんか
- 隕石墜落時に木がそのままふっとんでいったけど実際そう飛ぶものなんだろうか
- 避難訓練だったということにしたみたいだけど「急に避難訓練するなんて怪しい」って週刊誌はあって、それにどう説明したのか気になる
- つかまつりの当日で火事だとか騒いでたのはわかるしさやちんの放送もあるわけで箝口令しけないだろって感じ
- 御神体遠すぎ
- 健脚すぎ
- 雨登山やばすぎ
- ばあちゃんかついでのぼるの無理
ストーリー
ざっくり2つの観点があって、恋愛モノって観点と入れ替わりモノっていう観点だと思います。
恋愛モノとしてみたときにちょっと物足りない点が2つあって。
1つは瀧くんと三葉がお互いを好きになる理由。 三葉は瀧くんにより、父親同士の癒着について陰口を言うやつらを退治できたという利点がある。 瀧くんは三葉から得たメリット、というかまあ好きになる要因が特にない*2んですよね。 強いて言えばおっぱいで、まあ確かに思春期男子高校生にそれは急所に当たった効果は抜群だとなるのもわかるので妥当ではあるんですが、恋愛モノとしてはそれじゃ弱いだろって思います。見逃してただけでなんかあったかなー。奥寺先輩とお近づきになれたっていうのはよかったんですけどそれで三葉を好きにはならんだろー。
もう1つは空白の5年間で、秒速5センチメートル信者としてはその空白の5年間、なにが自分に足りないのか自分が失ってしまったものはなんなのか、どこに幸せがあるのかわからない状態で過ごす瀧くんの姿が必要な気がするんですよね。 はー、なんか記憶なくなってなんか忘れてた気がして就活ツラいよね〜〜〜だとそんな感慨がないというか。
入れ替わりモノとしてみたときに設定のハテナは置いといて*3、入れ替わりがなんのためだったかっていうと隕石を防ぐためなんじゃないかと瀧くんが作中で言っているわけですよね。つまり入れ替わりには必然性があって、隕石事故の死傷者を抑えるというのがその必然性になります。 隕石事故の死傷者を減らすというミッションを達成するストーリーだとしてみたときに、入れ替わり恋愛としてみたときのクライマックス部分と問題解決のクライマックス部分がズレてるんですよね。 ざっくり言うとこういう流れだったと思うんですが
問題解決パート: 避難させなきゃ! → 作戦会議だ! → 実行だ! → 失敗したぞ…… → まだ頑張る → 解決だ!!!! 恋愛パート: いれかわった → 近くにいくぞ! → え、過去なの? → ようやく会えた!!! → 消えた…… → もっかい会えた!!!
「解決だ!」の爽快感が少なく「ようやく会えた!!!」 + 「消えた……」のインパクトのが強かったんですよね。
このへんもっと両立させるなり、どっちかに寄せるなりしてもよかったかなって思いました。
というわけで面白かったけどちょっと気になる点もあった感じです。 秒速5センチメートル見直したくなりました。
追記
親父を説得するというのが「隕石事故の死傷者を減らす」というミッションにおける最重要ポイントだったんですが、それが不明瞭だったのもちょっともやっとしています。「いれかわりに気づいたからじゃないか」という意見はまあある程度筋が通っている気はするんですが、その場合入れ替わりに気づくべき一番のポイントはたきくんが胸ぐらを掴んだ瞬間であって、ボロボロになった三葉が市役所に現れた瞬間ではないんですよね。 そうすると、それは最後山頂入れ替わり前だから山頂でのイベントがキャッキャウフフ的観点以外に意味がなくなっちゃうのがつらいところです。
親父さんが過去にどうして家を出ていったのか、母親とは入れ替わりの末に出会ったのだろうかというところが気になりますがまあそれは余韻ということで妄想して楽しむことにします。
追記
そういえば最後のほう、電車ですれ違うときにみつばがつけてたの、星のペンダントでしたね。彗星からかな。